
ゆう
@yu_32
2025年11月13日
読み終わった
宝塚を愛するタヒさんが、自らの内なる愛を見つめ、「好き」に改めて向き合った軌跡を記したエッセイ。
雑誌の連載に書き下ろしを加えて書籍化。
誰かを、何かを「好き」になることはとても個人的な営みだ。
だから時折見つめ直したくなるのかもしれない。
「推し」がいる人にはぜひ読んでほしい一冊。
タヒさんは「好きでいること」について、「愛」について真剣に考えている。
愛を「向ける」自分について、そして愛を「向けられる」人について。
難しく考えすぎでは?と思う人もいるかもしれないが、本当はきっとこのくらい考えないといけないのかも。
いきすぎた「推し活」とか一部のファンの暴走とかを見聞きするとそう思う。
タヒさんの、いわゆる「推し」が辛い思いや不快な思いをしないよう、タヒさんは細心の注意を払いながら、情熱的に、しかし静かに応援を続けている。
タヒさんほど公演に通っているわけでも、ファンレターを出しているわけでもないけど、私にも「推し」、応援している人がいる。
その「推し」のきらめきや、舞台のことを重ね合わせるのはどうなん?とも思うけど、つい重ね合わせてしまって胸がギュッとなった。
コロナ禍での休演や無観客公演とか、心が苦しくなった。
それでも推しは希望を捨てずに輝いていたし、今でも歌や踊りや演技、様々なパフォーマンスで私を魅了し続けてくれている。
私たちは「推し」を応援している側だと思ってしまう。
確かに一面では正しい。
けど、別の一面では、「推し」が誇り高く舞台に立ち続けてくれているから、私たちはその姿に希望を見出すことができる。ファンでいることができる。
「愛」をもらっているのは私たちの方なのかもしれない。
とにもかくにも、「推し」が「推し」でいてくれること、大好きな存在でいてくれること、自分がファンとして「愛」を向けることができること、それら全てが奇跡だ。





