
万願寺
@manganji_
2025年11月16日
友達じゃないかもしれない
ひらりさ,
上坂あゆ美
読み終わった
上坂さんの豪速球を、打ち返すとかじゃなくて、今のは時速156km!みたいにひらりささんが観測したり手を叩いて喜んだりしているような印象。ひらりささんには前から人間としてかなり揺らいでいて、とくに人間関係でクラッシュを繰り返す人だな…と感じていた。それに対して上坂さんは、人間関係も落ち着いていて、でかいテーマを持ってどん!と生きているルフィみたいな人という印象。上坂さんが思わずひらりささんへの加害性を心配してしまうのもわかる気がした。しかしひらりささんはしなやかでしたたかなロボットなので、上坂さんの心配するようなことはなく、気ままに生きる猫のようだと思った。最終的に、この2人、どこまで行っても平行線だろうから、逆に相性いいんだな、と思った。出会ってから5年という歳月で2人とも変化しながら付き合いを続けているというのもいいと思った。友情の「中身」ってなかなか他人のそれを覗けないけど、こういうあり方があるんだな、と普段けして見せて貰えない部分を晒してもらった感じで、「友情」をわざわざ全ベットした真剣勝負の往復書簡って、初めて見たな、と思った。これは本当に取っ組み合いだな…、よくここまで危機を恐れずに友情を俎上に乗せてくださったな、という感じだった。おそろしい本だったが、心温まった。




