本屋lighthouse "見知らぬ人を認識する" 2025年11月16日

見知らぬ人を認識する
見知らぬ人を認識する
イザベラ・ハンマード,
岡真理
仕事をするのでもなく、タブレットのスクリーンを通して一方的に流れて来る映像や情報を受動的に消費するのでもなく、私たちの夢の領域に属する感覚のいくつかを働かせたり、他者の声に注意深く耳を傾けたりしながら、私たちが想像力豊かに参加することを求め、この惑星に生きているという私たち自身の経験に一筋の光を投げかけてもくれるかもしれないやり方で、自分たち自身以外の経験について深く思索するために、です。小説とは、人間には語りという形式を通して世界を理解したい、経験したいという根源的な欲求があり、その欲求が脈々と受け継がれてきたということの表れです。(p.13-14)
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文学におけるアナグノリシスが最も真実味を帯びるのは、それが救済的でないときだ、ということです。つまり、それが救いではなく、自身の限界や誤りとの不穏な遭遇として立ち現れるときです。これが、小説に私たちが期待できる最大のものだと思います。啓示でもなければ知の目覚めでもなく、むしろ知の限界が露わになることです。自分が何かについて誤っていたことに気づくというのは、世界の他者性が自分に向かって押し寄せて来る瞬間を経験することにほかなりません。それは、自らの中心から投げ出されるという経験です。(p.51)
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