
飴田
@hukuro_neko
2025年11月16日
ようこそ、ヒュナム洞書店へ
ファン・ボルム,
牧野美加
読み終わった
図書館で借りた
よりよい書店の在り方を追及する店主、共に働く青年バリスタ、常連客たちの視点も交えながら日々が巡る。根っこが皆あたたかい登場人物たちによる群像劇なので、穏やかに読み進められる一方、ぐっと刺さる台詞が散りばめられていて油断できなかったりする…(図書館で借りていなければ付箋を貼ってたなあ~…)
登場人物たちはみんな何かしら悩みを抱えている。親の期待した道に進めなかった、職場での理不尽な扱いに腹が立つ、何にも興味がもてず未来を描けない、家族関係がうまくいっていない…などなど。読み手は誰かしらに共感するんじゃないだろうか。
他者と話すこと、あえてそっとしておく(される)こと、見方を変えてみること、拠り所を得ること…自分なりの心のほぐし方を見つけていく彼らの姿に元気を貰える。拠り所は一冊の本だったり、美味しいコーヒー、瞑想、何かに集中する時間、映画…人によって様々なところが魅力的で面白い。
また、それぞれが前向きになる過程もぐいぐい押し付けがましくないというか、些細な会話の中で「私はこうしてみます。」「それ、いいですね。」「ちょっとやってみます。」と言い合うような感じのゆるさでちょうどいい。劇的でないきっかけで、ゆるやかなに人生が昨日より明るく色づくの、素敵だな…
帰り道の足取りがちょっと軽くなる、そこにしかない本屋さん。わたしの街にも見つけたい。
……たわしイベント!?



