
万願寺
@manganji_
2025年11月17日
きみを嫌いな奴はクズだよ
木下龍也
読み終わった
2016年に出た本を、2025年の今読み終えました。若者の短歌ブームのおそらく立役者というか火付け役となった著者の(違ったらすみません)、有名な歌集。前半はユーモラスな歌が続くなと思ったけれど(こんなのどうやって思いつくのだろうという発想の妙が多い)、中盤から徐々に著者の切実な思いが溢れてくる。どの歌が良かったとかはとくにないが、とにかく最近の現代短歌のあらゆる種類全部盛りという感じで、この人はたしかに流行るな、と思った。なんというか、情から景から網羅している。ユーモラスから悲観まで、生の静かなよろこびもあれば、死に近づく危険な歌もたくさんある。そして、こんなにも57577って守らなくてもいいんだ、と驚いた。リズムが全然57577じゃないものが半分以上あって、ええ〜!?これ短歌でいいのかよ!と驚いた。短歌というより一行詩のようだった、というのも多い。どちらにせよ、あとがきは完全に現代詩のようになっているし、木下さんは詩人だな、と感じた。

