糸太
@itota-tboyt5
2025年11月17日
歴史修正ミュージアム
小森真樹
読み終わった
私にとってミュージアムは美術品を鑑賞しにいく場所でしかなかった。展示されているのは世にも貴重な芸術品で、だからこそ敷居が高く、足を向けるのには多少の緊張が伴った。
でもそれは違う、と本書は教えてくれる。
そもそもコレクションは恣意的な視線を通じて行われたものであるし、展示にはその時代の空気による編集を加えたものにしかならない。そして、そのような「歴史修正」は絶えず更新され続けており、私のようなアートに気後れするような人々の手にも、ひろく委ねられている。
もちろん無視しようとすればできるけれど、その態度はけっして、未来の社会に好ましい結果を導きはしないだろう。
色眼鏡をはずしてみる。案外、ミュージアムの側からは、手を伸ばしてくれているのかも。

