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2025年11月18日

けんちゃん
こだま
読み終わった
予約受付中
プルーフ読み終える。『見知らぬ人を認識する』での重要テーマ、認識するというのは「気がつく」だけではなく「自分の行動様式にも変化が生じる」必要がある、というものと共鳴するものがある連作小説だった。
障害を持つけんちゃんに出会うことで変わっていく登場人物たち、という建て付けからは、けんちゃんをヒーローとして配置し、劇的なできごとによって劇的な変化がまわりに生じること、すなわちけんちゃんを素材や道具として「利用する」ような在り方を提示してしまう危険性があるが、その誤読を可能な限り生じさせないように物語を紡ぐのだ、というこだまさんの意思を感じることもできた。描かれているのはあくまでも「よくあるできごと」であり、劇的な事象または変化は、あくまでもそのよくあるできごとの受け止め方を変えた登場人物たちのなかで起きている。そしてその変化も、物語を閉じたら読者の実生活=行動様式にはなんら変化を生じさせないようなもの、劇的に変化した登場人物を見て満足して終わってしまうようなものではなく、問われているのはあなた=読者であるということを、静かに突きつけている。





