
きなこ
@kinako2025
2025年11月18日
熊はどこにいるの
木村紅美
読み終わった
考えさせられる
リツとアイと先生は、下界から閉ざされた山奥に住んでいた。ほぼ自給自足で、僅かにぬいぐるみなどを作り販売し暮らしていた。
ある日アイと先生はバレエ公演を見に行き、帰りに立ち寄った道の駅のトイレに置き去りにされた男の赤ちゃんを拾った。
男嫌いのリツには女の子と偽り、3人の女たちは慣れない子育てを始めるが。
読み終わり、すぐタイトルの『熊はどこにいるの』の意味を考える。
登場人物の誰が口にするかで、「熊」が誰を指すのか、何を指すのかが変わってくる秀逸なタイトルだと思う。
リツもアイもユキも、ヒロやサキでさえ、女性として生きてきたせいで苦しんできたこと、社会から苦しめられてきたことが物語の隅々に感じられ、読んでいて胸が苦しくなる。(ユキは男の子だけれど、リツに一時女の子だと認識されていたので)
特にリツの生きづらさ、幼いころの性被害によるトラウマが、読んでいて辛く、社会に蔓延る性犯罪について憤りを感じずにはいられなかった。

