イロハ "ある行旅死亡人の物語" 2025年11月18日

イロハ
イロハ
@iroha_mellow
2025年11月18日
ある行旅死亡人の物語
ある行旅死亡人の物語
伊藤亜衣,
武田惇志
いくつかの謎を残し孤独死した身元不明の女性を追う、ふたりの記者のノンフィクション 彼女の足取りを辿り、当時の温度を感じさせるエピソードを聞くと、独りで最期を迎えた彼女は、その瞬間、なにに思いを馳せたのだろうかと考えてしまう。 作中の彼女とは縁もゆかりもない。 だが、間違いなくかけがえの無いひとりだったと、物語を通して実感する。 2024年の孤独死は7万人以上にものぼるらしいが、以前北野武が(東日本大震災について)「2万人が死んだ事件ではなく”1人が死んだ事件が2万件”ととらえないと、被害者のことは理解できない」というような発言をしていたことを思い出した。 日々のニュース全てに思いを寄せることは難しい。けれど、せめて自分の周りの大切な人との日々を、抱きしめながら生きていきたいなと思わせる一冊だった。
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