
サリュウ
@sly_notsry
2025年11月19日
細雪
谷崎潤一郎
読んでる
一気呵成
中巻部分を読み終えた。とにかくちょこまかと出来事が起こり続け、それによって語りがクネクネと伸びていき、どこまで読んでも飽きず、面白い。すごい。
中巻部分は雪子のお見合い云々の話は鳴りを顰め、その代わりさまざまなゴタゴタや災害、人の移動が忙しなく語られていく。ローゼマリーたちが木に登って船出の真似事をするくだりや、雪子が幸子たちの元へ泊まりに来た際いつも楽しみにしている鮨屋のくだりなど白眉で、いいなあいいなあと思いつつ熱中して読んだ。幸子と鶴子がお春どんについて好き勝手語るくだりもおもろい。関西弁っていいよなあと素朴に思う。


サリュウ
@sly_notsry
〈今はかの地到る所で剣戟の響きがいたしますが、いかなる国民も戦争は好みませんから、結局戦争にはならないでしょう。チェッコ問題はヒットラーが処理してくれることと、私は確信しております〉
p.443
幸子たちの住む家の隣家に暮らしていた(そしてその家を引き上げヨーロッパへ帰っていった)シュトルツ夫人からの手紙の一部。そうなんだよな。そして、それでも戦争は起こる。