エフワイ
@sthhhhts
2025年11月20日
イクサガミ 神
今村翔吾
今年もっとも話題にされた小説のひとつ。
熱量の高さだけでなく、読みはじめると「これは話題になるのも当然だ」と思える。
ジャンルの境界線を飛び越え、メディアミックスも期待大で、好みが違う人同士でも語り合えるのでオススメ。
魅力はなんといっても登場人物と戦いの“幅”の広さ。
サムライ、ニンジャ、軍人、外国人の参加者まで入り乱れ、刀・暗器・弓・毒・銃・鎖鎌・薙刀・槍・徒手拳闘…と、戦い方も千差万別。
キャラの魅力はどれか一つに絞れないほどで、どんな人でも「自分の推し」が自然と見つかるはず。
エンタメ性も圧倒的。
奇妙な舞台に奇抜な設定、サムライ版バトルロイヤルという表面だけでなく、
時代小説・冒険小説・バディもの・そして“蠱毒”の核心へ迫るミステリの緊張感まで含んでいる。
四部作通してテンポが途切れず、 巧みなクリフハンガーで本を置く暇がない。
映像化を知っているのも影響しているけど、読んでいると、映像が浮かぶ。
アクション、場面転換、キャラの個性が視覚的で、これは映像化で映えるでしょう。
Netflix実写化では岡田准一の殺陣は間違いなく期待だし、
東海道の旅路や明治の街並みがどう再現されるかも見どころ。
物語の核として、明治維新後の史実が効いているのも良い。
幕末の熱が収束し、社会が変わっていく中で何が起きたのか。
史実と物語が噛み合う感覚がなんとも言えなかった。
この時代や、漫画『だんドーン』が好きな人にはたまらないはず。
「この時代をもっと深掘りしたい」衝動が湧く。
これからNetflixで世界に広がるタイミングの今、読めば話のネタになるし、楽しみ方が何倍にも増える作品。
物語としての純粋な面白さに加えて、作品をきっかけに幕末〜明治に興味が連鎖していく楽しさも。読んで終わりではなく、読書の視野が広がる“次の一冊”へ自然につながっていく。