ほせ "世界のすべて" 2025年11月20日

ほせ
ほせ
@coffee_dog
2025年11月20日
世界のすべて
世界のすべて
畑野智美
初めて読んだ作家さんだと思うけど、今時の本だなぁと思った。ここまで現代の波を率直に書いている本を初めて読んだかもしれない。(自分がなかなか単行本に手が届かなくて、新作をすぐに読めないからかもしれないけど…) 多分年代的にはこの世代に区分されて、同じような時代を生きてきたと思うので、共感できる部分は多かった。だけど、個人としてはマイノリティとか性的嗜好に名前をつけて区分することに違和感を感じた。もちろん、区分されることで安心感があったり、自分が一人じゃないことを自覚できたりすることはあると思う。でも、異性愛者の中でもどこからが浮気かとか恋愛観が異なるように、「恋愛」が一人一人違うものだと理解できたら良いのにと思ってしまった。その枠組みの中にいたってみんなが一緒な訳ではないし、趣味の話をするように、同性が好きとか恋愛感情がないとか言う話を、「あぁ自分と相手はその点では違うんだな。」で済ませられないのかと思った。 こう言う自分自身も枠組みの中にいるようなふりをすることが楽な時もあるから(恋愛に限らず…)知らない間に傷つけてしまってたかもと反省する時もある。だから、そんな単純な話ではないことは分かっているけど、多様性な社会にすることを目標にするのではなく、目の前の相手が自分とは違うことを受け入れられる世の中になったらいいなと思った。ある種この本がリトマス紙になって多様性に対してどんな気持ちでいるのかがわかる本だと思った。
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