世界のすべて

26件の記録
- hayata@hayata2025年10月5日読み終わった装丁が目を惹くな、と思い購入したまま置きっぱなしになっていた本。ふと、読み始めてみると自分が普段いる世界とは違うアングルで世界を描いていて、グッと惹き込まれる。この本のテーマは、セクシャリティというところだろうか。特定のセクシャリティにフォーカスをあてるのではなく、いろんな種類の人たちをアセクシャルの主人公がフラットな目線で感じたり、関わったりしていくストーリーが興味深い。出てくる登場人物たちを、ただ単純に闇雲に肯定するのでも、忌避を示すのでもなく、理解を示す主人公の在り方が印象的で、主人公の無色性(色的には紫だが、描き方的には透明なレンズに見える)が他の登場人物の中にある葛藤や逡巡を描き出すのにちょうどよく、そのカラフルな色にあてられて主人公の中でも内的な変化が生まれていく様の描き方が素敵と感じる。白でもなく黒でもなく、赤でも青でもない、劇的なストーリーでもなければ、チルな安らぐ感じでもないが、その曖昧さと不確定さがそれぞれの不確実・不確定さを描いているような気がした。
- saki@53hon_to2025年7月25日読み終わった図書館で借りた優しく穏やかな世界の中、さまざまなセクシュアリティの人々が描かれていた。アセクシュアルやアロマンティックについては、他の作品でも触れてきたから何となく知った気になっていたけれど、それは「世界のごく一部」であるんだな、と思い知らされた。 もちろん以前よりは声を上げやすくなってきてはいるのだろうけれど、だからといって堂々と打ち明けられるかと言われればたぶんそうでない人のほうが多いと思うし、人と違うことに関しては自分のことであろうが相手のことであろうがどうしても身構えてしまう感じはあるから難しい。難しいながらに、わかっていきたいし、わかってもらいたい、と再認識した。
- Pさん@ahaha___8882025年5月3日読み終わった★★★★@ 自宅セクシュアリティの多様性については年々理解できる人、しようとする人が増えてきていると思うけど、この本を読んでみてまだまだ生きづらい思いをしている人が多くいるのだと思いました。自分を理解するって難しいよなぁ…みんな寄り添い合って幸せになれればいいのになぁ…