
まつこ
@matsuko--Books
2025年11月22日
読書実録
保坂和志
まだ読んでる
ちょっと開いた
『人間の土地』に出てくるガゼルの話で、
『読書実録』に出てくるウサギの話を思い出して。
...
逃げきれる/逃げきれないの枝分かれする世界で逃げきれなかったとしてそれが天寿をまっとうしなかったととになるとはかぎらない。
そこが世界の不思議というか謎というか、言葉による理解の及ばない層(または相)だ。そしてもしも本当に鈍感ゆえに天敵から捕まらずに老衰死するまで生きたウサギがいたとして、それは天寿をまっとうしたとは言わない、それは間違いない、そのウサギは何物とも触れることなく何事とも触れることなく、つまりどんな世界もそのウサギには開示されず、死がくるまで動いただけだ、それを生きたとは言わない。


