
くまこ
@iitenamoko
2025年11月22日
生活史の方法
岸政彦
読み終わった
「ひとりの人間の、人生の語り。生い立ち、これまでの生きてきた道筋、いまの暮らしぶりについて語った、個人的で、ささやかな、しかし同時に、この世のすべての幸せや不幸、 喜びや苦悩、成功や失敗が語られる語り。こうした語り、あるいはそこで語られる個人の人生そのものを「生活史」といいます。」(p10)
読書をすると、自分ひとりでは想像できなかった他者への想像力がひろがると思っている。(そんな大層なつもりじゃなくて、ただの楽しみで読んでいるが)
生活史を知ることも、読書に似ている。
人が生きているというのは選択することで、そこには選んだ理由がある。ただ、私たちは、他者の行為に対して、あまりにも簡単に愚かな馬鹿げた選択だと捉えてしまう。そこには分断があるから。
しかしどんな人でも、話を聞いてみれば、その人なりの理由がある。
そういうことを頭の隅において生きていたい。
あと、たまにおもしろエッセンスがあって良い読み味。
「本格的に調査を始めた二〇世紀終わりから二一世紀初頭の頃はまだカセットテープというものが売っていて、小型のテープレコーダーで録音をしていました。室町時代の話です。」(p164)
室町時代!


