
菜穂
@mblaq_0825
2025年11月20日
桜の森の満開の下・白痴 他十二篇
坂口安吾
読んでる
本のある暮らし
積読家
輪読会
輪読会にて
第9回 「戦争と一人の女」「続戦争と一人の女」
P175~P199
野村はどこか間が抜けている。それでいてやはりこれまでの物語に登場した男たちのように理想の女像を求めるのですよね……
「高められた何かが欲しい」と目の前にいる女に満足しない。
坂口安吾の物語に登場する男たちはきっと自分の愚かさを自認はしているんではないかと思うのです。その愚かさを改善すれば高められたものが手に入ることも。
分かっていながら環境や状況や相手のせいにするしかない人間の愚かさを描いてあるのかなと私の足りない頭で薄ら感じるのでした。
続の方は珍しく女の視点で描かれています。
これがびっくり!!女視点で描かれると急にグッと共感できるようになりました。坂口安吾が描く女視点なのでどこか捻れているのかもしれないけれど、それを踏まえた上でも男たちより全然共感できる。そして切ないほどにこの女の気持ちがわかってしまいます。
「人間のやること、なすこと、どうして何もかも、こう呆気なく終わってしまうのだろう」
切ない……
何度も言いますが、坂口安吾の物語を深く読み解くにはやはりエッセイを読まねばならん。と、いいつつまだ読めてません。
代わりに影響を与えた人、影響を受けた人を見てみたら影響を与えた人で町田康の名が出てきて妙に納得。
影響を受けたのは葛西善蔵らしく、この方は知らなかったので少し追ってみよう。



