gato "一四一七年、その一冊がすべて..." 2025年11月23日

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@wonderword
2025年11月23日
一四一七年、その一冊がすべてを変えた (ちくま学芸文庫ク-39-1)
一四一七年、その一冊がすべてを変えた (ちくま学芸文庫ク-39-1)
スティーヴン・グリーンブラット,
河野純治
本屋で見かけて文庫化されたのを知った。『暴君』のあとに本書を読んで「グリーンブラットって本当に文章が上手いな」と思ったのを覚えている。 当時の感想↓ 序盤でポッジョのいる15世紀初頭を少し覗くと、一旦ルクレティウスの生きたローマ時代に遡り、ヘレニズム期のアレクサンドリアに視点を移す。ここが面白い!要は多神教時代からキリスト教時代への過渡期なのだが、教養豊かで論理的なのは多神教徒のほうであり、キリスト教徒は論理でやり返すことができないため、教養のほうを否定しようと自ら無知であることを選んだのだと語られる。特に、生の快楽を追求するエピキュリアンへの解釈がどんどん歪んでいき、その反対側へ進もうとするうちに苦行や鞭打ちが過激化し"笑い"が否定されていく中世カトリシズムについての説明は、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』をわかりやすく噛み砕いてくれているようだった。 え、面白そう(笑)。読み返そうかな。
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