宵菓 "友達じゃないかもしれない" 2025年11月23日

宵菓
宵菓
@yoruno_okashi
2025年11月23日
友達じゃないかもしれない
友達じゃないかもしれない
ひらりさ,
上坂あゆ美
宇宙人とアンドロイド(本の中で出てくる表現)の二人の交換ノート。 人間たちや社会との相容れなさを抱えている、けれどまったく違う方向性の思考や存在の仕方をする二人の密度の高い豪速球の言葉のキャッチボール(もっとドッチボールのような本なのかと思ったけど、きちんと互いに敬意があった上で投げているボールなので私はキャッチボールに感じた)は、読んでいてとても興味深かった。 私もあまりこの社会の標準規格とされている人間の型に合ってないと感じることの多い人間ではあるので、共感ではないものの、「ああ、こういう型の人間もいるんだろうな」と思いながら読んでいた。 上坂さん、ひらりささんそれぞれに「あ、この感覚は少し近いな」と思う部分があり、「ここはマジで全然わからん」と思う部分もあり、その度に「そう感じるということはじゃあ自分はどうなんだろう、自分はどの立ち位置にいるんだろう」と考えながら読んでいた。どちらかに共感する、どちらかの立場に近いというよりは、私は私で私の椅子を用意して、勝手に私も参加者Cとして脳内座談会を繰り広げているような読書時間だった。 なので脳内で楽しむ分にはとても面白かったが、私自身は他者への自己開示範囲をかなり限定する人間なので、この交換ノートを実施することは不可能だな、と思って読んでいた。他者に対してここまで自分の奥深くに侵入されることを二人ともが許容できる(それをそこまで不快と感じない)性質で、かつその前提を共有し合えているこの二人だからこそ可能になる交換ノートだと思った。
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