味噌田楽
@miso___dengaku
2025年11月23日
恐怖とSF
日本SF作家クラブ
読み終わった
感想
再ブームが訪れているホラーを題材にしたSFアンソロジー
大御所から単独書籍未刊行の新鋭までホラー作家SF作家両方の作品が集まっていてバラエティ豊かかつ面白さのアベレージも高くてテーマ関係なく一冊のアンソロジーとして面白かった
祟りと細菌がテーマ、SFとホラーのバランスではアンソロジー随一の柴田勝家「タタリ・エクスペリメンツ」
ダークウェブの奥深くにある無限の仮想空間とそこに潜む幽霊を描いたカリベユウキ「始まりと終わりのない生き物」
伝奇ジュブナイル風に描かれる主人公たち仲良しグループと獣と化した幼馴染の戦いがまさかのSF的結末に着地する坂永雄一「ロトカ=ヴォルテラの獣」
別次元からの移住者によって文明が急速に発展した地球が舞台、発展の恩恵を享受しながらも移住者への排外主義と陰謀論によって民衆を煽動する作家が主人公という世相をストレートに反映したストーリーがいろんな意味でホラーで結末はもっとホラーな飛浩隆「開廟」
自分を人間だと思い込むことで従来の人工知能を凌駕する汎用性を獲得したAIエージェントサービスの起こす混乱、そして衝撃のラストに度肝を抜かれる新名智「システム・プロンプト」
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