マルドリッチ "ブロッコリー・レボリューショ..." 2025年11月24日

ブロッコリー・レボリューション
まさに純文学という感じ。ラフに、しかし技巧的に練られていることがはっきりわかる文体で、独特。 私はあんま技を見せびらかしてくるような作品は疲れるというかしらけるから苦手なんだけど、こちらはそんなに気にならなかった。技巧的であることが徹底されているからかもしれない。 人称、視点に工夫が凝らされていて、読者は常にそのありえない視点に振り回される感覚。 表題作の「ブロッコリーレボリューション」はその技法が練り上げられた先の作品で(たぶん)、ありえない視点からの描写を浴び続け、奇妙な説得力を終始押し付けられた。 4編目の「黄金期」も不条理短編という感じですごくよかったな。冒頭、混雑した電車で自分にカバンがぶつかったくらいで蹴りに行く男やばいなと思ったけど、気を取り直して読む価値はある。
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