
酸菜魚
@suancaiyu
2025年11月24日
嘘つきジェンガ
辻村深月
読み終わった
@ 自宅
嘘で嘘を繕って、今にも崩れそうなジェンガを積み上げていく。
そういう話はよくあると思うけど、そこはさすが辻村深月、短編3本とも物語に引き込む力が強い。
友人に誘われてロマンス詐欺に加担してしまうコロナ禍の大学生。
子どもの進路を心配する親心につけ込まれて裏口入学のようなことにお金を使ってしまった母親。
憧れの人になりきって、非公式のサロンを運営する子ども部屋おばさん。
必死にバランスをとって積み上げてきた3人のジェンガは崩れてしまう。グラグラとしたタワーが、耳を塞ぎたくなるような不快な音を部屋中に響かせながら崩れ落ち、目の前にピースが無秩序に広がる。
でも、崩れたあとには、そこに無くしていた大事なものを見つけたような、小さいけれど確かな光が差す。
『鍵のない夢を見る』とは違う、すこし希望の見える終わり方で、すごく好きな短編集だった。
とくに3本目は辻村深月ファンは大好きなはず。
漫画やアニメが背景にある物語で、あの人の名前も出てくる。
名前が出てくるだけなんだけど、ファンとしては大興奮だった!
あと、自分でもわからず体が動き、頭で考えるよりも先に声に出てしまうような、いてもたってもいられない衝動に主人公が突き動かされる展開は、読んでる自分もアツくなる。
辻村深月が好きな人ならこの展開の仕方、わかるよね?


