
wataru
@watarukato
2025年11月24日
ようこそ、ヒュナム洞書店へ
ファン・ボルム,
牧野美加
読んでる
図書館本
@ 自宅
ヨンジュはいま、この静寂を心地よいと感じている。他人と一つの空間にいても無理に言葉を交わす必要はないという事実に、喜びさえ感じる。話したいこともないのに話すというのは、もちろん相手を気遣ってのことかもしれない。だが、相手を気遣うあまり、自分自身を気遣えなくなるケースも多い。どうでもいい話を無理に続けているうちに、いつしか心が虚しくなり、早くその場から逃れたいという気持ちになってくる。
ヨンジュは、ミンジュンと一つの空間を使いながら、沈黙は自分と他人を同時に気遣う行為にもなり得るのだと学んだ。相手の顔色をうかがいつつ無理に話をする必要のない状態。その状態での自然な静寂に慣れていく方法も学んだ。
