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@bunkobonsuki
2025年11月24日
ハロー・ワールド
藤井太洋
大抵の場合、SF(サイエンス・フィクション)は「はるか未来の技術」あるいは「過去の世界に現代技術を移植した異世界」の話になりがちだ。
しかし、本作『ハロー・ワールド』はそのどちらでもない。現代技術をテーマにした極上のSF小説なのである。ビットコイン、アプリケーション、ドローン・・・・・・。本作に出てくる色々なテクノロジーは、今まさに我々の手元に存在するものだ。
本作の序章となる『ハロー・ワールド』は、これだけでも一編の長編にできる濃密である。他の作家が書けばゆうに100ページは超えるところを、59ページに圧縮したという感じがする。
『ハロー・ワールド』以降も濃密な短編が続くので、合間に休憩を挟みながら読まれたし。

