
たご
@clan_1967
2025年11月24日
さがしもの
角田光代
読み終わった
再読
本を読むことは、娯楽と呼ばれうる数あるものごとのの中で、最も個人的で孤独な行為だと思う。その言葉の先にある光景は私にしか見えないし、そのときに抱く感情は私にしかわからない。
しかし本とは、そもそもは私ではない他人が書いたものである。そこに書かれている感情は、実は私のものではない。ほかの人の紡ぐ言葉に、ひそやかに耳を傾け、もしかしたら私が抱いたことのない感情を、叫びを、私のものとして発見する。
本を読むことは、最も個人的でありながら、最も他者を理解しようとする行為であるのかもしれない。

