数奇 "クララとお日さま" 2025年11月25日

数奇
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@suuqi
2025年11月25日
クララとお日さま
クララとお日さま
カズオ・イシグロ,
土屋政雄
「AIが語り手」という小説を、信頼できない語り手の名手カズオ・イシグロが書いてつまらないわけがなく、やはり本当に素晴らしい作品だった。ロボットの少女・クララが病弱な女の子・ジョジーの家に買われていくというあらすじ自体は普遍的かもしれないけれど、AIの一人称視点で描かれる文章表現の緻密さは、この作家にしか到達できない領域の筆致だと思わされるほどだった。一切説明されない世界設定を登場人物たちの会話から読み解いていくとディストピアが垣間見えてくる点も、想像を膨らませられて面白い。2025年に読んだ本の中でもベスト級に良かった。
クララとお日さま
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