
夜読書強化週間
@Yama07r0i
2025年11月25日

化け者心中
蝉谷めぐ実
紹介
時代小説に苦手意識があった自分を変えてしまった1冊を紹介
一時期ミステリー小説に熱中していて、この本もミステリー小説として購入した記憶がある。
ざっくりとしたあらすじは、江戸時代を舞台に、わがままで美しい歌舞伎役者と相棒の真っ直ぐでやさしい青年が事件を追う歌舞伎×ミステリーだ。
この作品のすごいところは、文章に江戸っぽさ、粋を感じるところ。音を大事にしていて口に出したら気持ちよさそうな歌舞伎っぽいリズミカルな文章なのだ。
意味がわからないと思ったら読んでみてほしい。
また、筆者の描く江戸時代の華やかさがZ世代の自分にも想像しやすく、憧れてしまうような魅力さえある。時代小説といえば後ろのページに用語解説が並び、すらすらと読むのが困難だった経験がある。
だが、この作品登場人物たちの話ぶりや景色の描かれ方はしっかり江戸時代なのに、なぜか読みやすい。
しかも全てがお洒落な感じがする。安野モヨコが江戸時代を絵にしたらこんな雰囲気だと思う。
『国宝』で歌舞伎に少し興味を持ち始めた方、ぜひこの作品をおすすめしたい。
そして他の蝉谷めぐ実の作品にも手を伸ばして欲しい。とても良いので…🚼
