"パリの砂漠、東京の蜃気楼" 2025年11月27日

坊
@Bou_Books
2025年11月27日
パリの砂漠、東京の蜃気楼
鬱の悪化で自分自身がまわらなくなり、夫とのコミュニケーションも良くしようと思うのに悪くなっていく…そんな日々の中で読んだので、かなり共感する部分が多かった。自分が言語化できなかった悲しみだったり自己否定的な自己評価みたいなものも書かれていて、この気持ち私だけじゃないんだと思うと同時に、やはりずっと付き合っていくものなのかと絶望もした。私は割と引っ張られてしまうタイプなので読んでいる間は気分が暗かったかも。特に刺さった文を引用させていただく。 ・かつて完成された一つの実として存在していた誰かへの思いは、時間や言葉や熱の蓄積の中で誰にも気づけない、日常に溶け込んだ記憶にも残らない静電気のようなきっかけから僅かずつ形を崩し、蝕まれ、腐っていく。この悲しみは関係の終焉や喪失に対するものではなく、身が熟れ無惨に腐る、花が咲いて枯れる、人が生まれて死ぬ、そういう不可逆な変化を伴ってこの現実を生きることへの悲しみなのかもしれない。(シエル) ・生きているだけで、何かに何かの感情を持っただけで、何かに傷つき、何かを傷つけてしまうその世界自体が、もはや私には許容し難い。(プリエル) ・生きているだけで何かの害悪でしかあり得ないという確信がある。善悪の境目すら把握していないのに、ただ自分が害悪であるという確信だけがある。(ピュトゥ) ・あの時あんなに幸せだったのにと思い起こされる幸せは全て幻想だと知っている。ずっと泣きそうだった。辛かった。寂しかった。幸せだった。この乖離の中にしか自分は存在できなかった。(フランス) ※図書館で借りた
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