さみ "夜明けと音楽" 2025年11月29日

さみ
@futatabi
2025年11月29日
夜明けと音楽
夜明けと音楽
イ・ジェニ,
橋本智保
「結局のところ物を書くというのは、よく知っている単語の中に、自分の悲しみを見つけること」 引用された帯の文章に惹かれて、気になっていた。読み始めて、戸惑った。普段本を読むときに、付箋を貼ったりなにか書き込んだりして、はじめて出会ったようなことばを残しておけるようにしているけど、この本は、この文を刻む…?掘る…?と、自分が今握っているのがシャーペンではなくて錐のようなもっと尖ったものであるべきだと感じていた。そういうことができるものが手元になかったので、これは、あまりに身体になじんでいて、たしかめるためになぞりたいということなのかもと解釈して、手帳に文章をそのまま書きつけることにした。そういえば「自分の字」がわからないのを二十年くらい悩みとしていて、むしろかえって場に合わせた文字を書けるところは自分のみとめられる数少ないなぞの特技と思っていたけど、いざ書き始めたらどんな筆致にすべきかわからなくなって、角をきちっと書いてみたり、筆を使っているみたいに流れるように書いてみたり(私は文字を左手で書くのでうまく筆を使えず、そのためイメージ上のことだけど)、色々試してどこにも着地せず、引きで見たら感情がふらふらしている文字のまとまりが残った。(自分でも)驚くべきことに、ここまで至るのにまだ1ページしか読んでいない。なのにこうなっている。要するに言いたいのは、とかこの本はどんな本で、とか脳が喋りかけたけど、そんなふうにまとめる必要はなく、ただこの本を読みはじめることができてうれしい。
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