
riho
@skirh623
2025年11月29日
ピザトーストをひとりで食べる
加藤千恵
読み終わった
食べ物を中心に書かれる小説は、「食する」ことにあたたかさと尊さを強く落とし込んでいるものが多いけれど、この一冊はまた一味違う。
にがさ、つらさ、やるせなさ。そこにたまたまいてくれた食べ物たち。あの時そういえばあれを食べていたよな、とお風呂の中でぼんやり思い出すような、景色に、手元に、舌の上にいた食べ物たち。何気ないくせに、けれど記憶にしっかり紐づいていく存在感には、ほんの少しのニクさも感じてしまう。
30編の短い風景と、そこに添えられた31音の短歌。全体的になにかのリズム?に似ているな、と思いながら読んでいたのですが、音楽のアルバムに似てるんだ、と読み終わった後に気付きました。
サクッと読めるのに、グサっと刺さったり、読み応えと力強さのある一冊でした。


