yomitaos "許されようとは思いません" 2025年12月1日

yomitaos
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@chsy7188
2025年12月1日
許されようとは思いません
人の心情を描くのがとても上手く、どの短編もまったく違う属性の人物が主人公なのに、自分ごととして読み進めてしまう。営業マンの誤発注に怯える気持ちが伝わって震えてしまうし、家族の犯罪で理不尽な白い目を向けられる母親・孫の憤りが伝染してしまい、義憤に駆られる。 しかしそんな感情を揺さぶる様と、起こる事件や実態は必ずしもリンクしない。表面に見えているものとは違う、もっと「人間味のある」人の業が徐々に姿を現し、確かにここに人が生きていたのだという実感が得られる。フィクションなのに。のめり込む読書体験を、久しぶりにしたような気がする。傑作だ。 ※これは著者には関係ないが、帯に「どんでん返しが凄い!」と謳うのはやめてほしい。興醒めする。たしかにそれが凄い作品だが、面白さの本質はそこに無い。シンプルにストーリーテリングが巧みで筆力が高いからめっぽう面白いのだ。どんでん返しは、要はアドオン的な強み。不祥事体質の新潮(の多分営業)は、もっと作品の質に寄り添う帯文を考えた方がいい。
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