数奇 "成瀬は天下を取りにいく" 2025年12月1日

数奇
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@suuqi
2025年12月1日
成瀬は天下を取りにいく
周りの読書好きも面白かったと言っていて、普段は話題作を読まない逆張りな自分でも気になっていた一冊。前半はあまり面白さを感じられなかったのだけれど、読み進めるほど魅力に気づいていき最後には爽やかな読後感があった。成瀬という突き抜けた主人公を、話ごとに語り手を変えて様々な視点から描いていき、そして最後に成瀬の内面を描く視点という構成もうまい。成瀬はぶっ飛んだ行動をとる人間でありながらも情に厚く、自分のせいで友人に迷惑をかけているのではと悩むような一面も持ち合わせているところが好感が持てる。しかし、コロナ禍という設定や、固有名詞をバンバン登場させるようなリアリティラインを敷いておきながら成瀬のキャラクターが漫画っぽすぎるミスマッチさの違和感は拭えなかった。せめてどうして成瀬がこういう性格になったのかというバックボーンがあるだけでも違ったように思うのだけれど(もし続編で描かれるとしても後付けに感じてしまう)。
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