句読点 "生きづらい明治社会" 2025年12月2日

句読点
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@books_qutoten
2025年12月2日
生きづらい明治社会
現代の日本も、これまでのやり方がうまくいかなくなってきて、将来の展望も暗いものばかりで、人々の鬱屈や不安感がたまり、物価は上がり続けているのに給料は上がらず、税金は高く、生きづらい世の中である。そうした中で、今年の流行語大賞が「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」。生きづらいのは、個人の努力が足りないからだ、がむしゃらに働けばこの状況を打開できるはずだ、総理自身がそうするんだから、国民もそれを見習って働け、と言われているようで本当に憂鬱だ。問題は個人の努力の問題ではない。この社会の仕組みがどこかで狂っているからだ。その大元が変わらない限り、個人の努力では限界がある。 明治時代も、単純に比較はできないものの、この種の「社会的な成功は個人の努力次第」という「通俗道徳のわな」に多くの人がはまっていたという。不安と競争が渦巻く社会の中で、下層に置かれた人々はその状況を打開するために戦争をするしかないという恐ろしい方向へ傾いていった。実際に日清・日露を経て日本も朝鮮と台湾を植民地化し、その中で経済的に成功したものも多かった。しかしそうした一部の「成功者」の裏には、相変わらず悲惨な生活を続けるしかない人が圧倒的に多かった。戦場に真っ先に送られたのもこうした人々で、上流の人間たちは自分は戦場に行かずに済んだ。 これからの日本も、どんどん戦争に傾いていってしまうのだろうか。軍事費は鰻登り、武器輸出も解禁し、非核三原則も見直し、憲法9条も変えようとしている。また同じ愚を繰り返そうとしているのか。歴史に学ぼうとしない日本。極右勢力が幅を利かせ、台湾有事もむしろ起きてほしいと願っているかのようだ。議員定数も削減の方向で動くことが決まったらしい。ますます権力者たちに都合の良い政治になっていくだろう。小さきものの声は届かなくなるだろう。抗う声も押さえつけられるだろう。政府に批判的な言動をすれば「非国民」と言われる日も近いのではないか。 ああいやだ嫌だ。どうすれば変えられるだろう。抗えるだろう。
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