
ユメ
@yumeticmode
2025年10月20日
志記(一) 遠い夜明け
高田郁,
髙田郁
読み終わった
感想
髙田郁さんによる新シリーズは、ヒロイン二人が活躍する時代小説。帯には髙田さんの「私のライフワークとなる新シリーズです。どうか末永くお付きあい頂けますように」という言葉があり、読む前から期待が高まっていたのだが、その期待に違わず面白かった。
この一巻は、主人公のひとりである蔵本美津の祖父・教随の時代から丁寧に物語が紡がれてゆく。教随が目にした、山脇東洋の別邸前に忘れられた矢立がいくつも落ちている光景の描写は、当時信じられていた人体の構造が覆された医師たちの動揺が如実に表れており、「巧い」と感嘆した。
医師を志す美津と、刀鍛冶を目指す暁、二人のヒロインが江戸の町で邂逅したところで一巻は終わる。共に当時女には困難とされていた道を選んだ彼女たちが、それぞれどのように道を切り拓いてゆくのか、また、二人が出会ったことでどのようなドラマが生まれるのか、楽しみに二巻を待ちたい。
そして、二人の出会いの場があの「つる家」であったことにとても嬉しくなった。『みをつくし料理帖』シリーズも再読したくなる。

