
勝村巌
@katsumura
2025年12月6日
四百字のデッサン新装版
野見山暁治
読み終わった
2023年に102歳で没した画家、野見山暁治さんの1976年に出版されたエッセイ。東京美術学校の話や藤田嗣治の話、坂本繁二郎、和田英作、駒井哲郎、義弟田中小実昌など、もはや伝説上の人物との交流などが生き生きと描かれている。
戦時中に東京美術学校に入学し、卒業後、徴兵されるもの病で帰国、なんとなく生き抜いてきてしまった、というような感情を踏まえた回顧もあり、淡々としているが時たま、ある種の燻りを感じさせる瞬間もあり、文章は非常に上手い。
たくさんの死に向き合ってきたこともあり、人間観察が鋭く、妥協やウソのない文章になっている。
先日、『東京美術学校物語』を読んだばかりだったので、和田英作や自由美術の話も大変興味深かった。『東京美術学校物語』では単に記録されているだけだった人物が、生きた人間として回顧されていて、立体的な人間として立ち上がってきて、読書のセレンディピティを感じた。
淡々とした中に味わい深いギャグとかも入っていて、クセのある面白い方だったのであろうな、と感じた。エッセイはたくさん出ているようなので、もう少し読んでみたい。



