
阿久津隆
@akttkc
2025年2月26日

遠くまで歩く
柴崎友香
読んでる
僕も印象に残っていた『百年と一日』のラーメン屋の話を講座の参加者のひとりがして、それもあって、そうか、この小説の積み上がらなさ、積み上げなさは、『百年と一日』なんだ、と思った。『百年と一日』の長編版というか長編の中に『百年と一日』が含まれている感じ。
それにしてもこういうところもそうだけど、ずっと、新聞の連載でずいぶんチャレンジングなつくりというかラディカルな姿勢の小説だよなあ、と思いながら読んできたけれど、タイトルは出されていないながらも明らかに『百年と一日』とわかる小説まで出てきて、いよいよ主人公が著者とほとんど重なる感じで、やっぱり凄い。毎回そうだけどどんどん凄みが増していく、と今作でも思う。人物を造形することが余計なことかはわからないけど、どんどん余計なものを捨てていくような感じというか。もうほぼ自分で全然いい。ここは全然なんでもいい。という感じがする。強い。という感じ。









