あまぎ "厨房から見たロシア" 2025年3月9日

あまぎ
あまぎ
@zfch8888
2025年3月9日
厨房から見たロシア
厨房から見たロシア
ヴィトルト・シャブウォフスキ,
芝田文乃
P.33 最終的に皇帝一家と側近たちの非業の死につながった出来事である十月革命に、ニコライは特に心を乱されなかった。唯一動揺したのは、暴徒がペトログラードの冬宮殿に侵入し、地下のワインセラーを空にしたと聞かされたときだったという。 P.135 でもね、パン屋に入った瞬間、楽園にいるみたいだった。不思議なことに、そこはパンのにおいじゃなくてエンジンオイルのにおいがしたの。オーブンに塗るものがほかになかったんだよ。でも小麦粉を見るだけで、パン職人の白いエプロンを見るだけで、焼き型を見るだけで、すべてが心を落ち着かせてくれた。パンがあるって?それは世界がまだ回っているということ。あたしたちはなんとかして生き延びられるかもしれない。
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