碧衣 "わたしを離さないで" 2025年12月8日

碧衣
碧衣
@aoi-honmimi
2025年12月8日
わたしを離さないで
わたしを離さないで
カズオ・イシグロ,
土屋政雄
わたしたちが長い年月を過ごしたあの場所で教わったことと教わらなかったこと。やがて自分たちに否応なく訪れる運命にどう向き合っていくのか。 介護人のキャシーはかつて過ごした全寮制の学び舎・ヘールシャムでの日々を振り返る。創造性を重要視し、定期的に生徒たちの作品の展示即売会が催された。 校内で起こる友人同士の細やかなマウンティング、からかいやイジメ、思春期特有の謎のブーム、そして性的な事柄への興味と一見すれば普通の学生生活の要素が如実に描かれているが、後に彼らが知っていく自身の生い立ちとその後に辿る残酷な運命。 そんな彼らを出荷される前の家畜のようだと思ってしまった自分に心底ゾッとした。 読み終わった今でも彼らがこの運命から逃れる術はなかったのだろうかと考える。憤りを持ちながらもあまりにもあっさりとその運命を受け入れている彼らの姿が悲しくうつる。
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