わたしを離さないで
166件の記録
- 綾鷹@ayataka2025年11月17日2016年にドラマを見た時の衝撃が忘れられず、小説を読み始めた。 マダムの家からの帰り、トミーが絵の入ったバッグを抱えているシーンは胸が痛くなる。 ・わたしたちはみな、新しい生活に順応しようともがいていました。おそらく誰もが、のちに後悔することを何かしていたと思います。あのとき、わたしはルースの一言に反発しましたが、コテージで生活しはじめた頃のルースの行動を――いえ、誰の行動であれ――いま、あれこれあげつらうのは、意味のないことに思われます。 ・ロジャーと会ってからの数カ月間、わたしはヘールシャムの閉鎖と、それが意味することを考えつづけました。そして、徐々にあることに思い至りました。それは、時間切れ、ということです。やりたいことはいずれできると思ってきましたが、それは間違いで、すぐにも行動を起こさないと、機会は永遠に失われるかもしれない、ということです。 ・ぼろ切れを見つけ、できるだけの泥を拭い取りました。トランクからそのぼろ切れを取り出すとき、トミーのスポーツバッグも一緒に出しておきました。動物の絵が入っているあれです。走りはじめてふと見ると、トミーがそのバッグを膝の上に抱えていました。 わたしたちは、あまりしゃべることもなく、走りつづけました。バッグはトミーの膝の上です。絵のことで何か言ってくれるのを待ちました。ひょっとしたら、また癇癪を起こし、絵を全部窓からばらまいたりしないだろうか、と思ったりもしました。でも、トミーはバッグを保護するように両手を置き、前方に現れる道を見つめつづけました。 ・おれはな、よく川の中の二人を考える。どこかにある川で、すごく流れが速いんだ。で、その水の中に二人がいる。互いに相手にしがみついている。必死でしがみついてるんだけど、結局、流れが強すぎて、かなわん。最後は手を離して、別々に流される。おれたちって、それと同じだろ? 残念だよ、キャス。だって、おれたちは最初から――ずっと昔から――愛し合っていたんだから。けど、最後はな……永遠に一緒ってわけにはいかん



- おおしま@_carino_2025年11月10日読み終わった再読 エミリ先生とマダムを始めとしたヘールシャムの活動が以前読んだ時よりしっかり理解できたのと、前より引いた目で読めたからかルース、キャシー、トミー3人それぞれの未熟さが際立った。キャシーは思い出話を延々としているわけだけど、どの瞬間を切り取ってもルースも本人も子供っぽいし、語っている大人になったキャシー本人も当時の自分を正当化している節があって、成長してないじゃんと思わざるを得ず。大人になった3人が船を見に行くとこも同じかな カズオイシグロやはり後半の物語の動きようが楽しい、何を聞かされてんだって前半に対して伏線がどんどん回収されていく終盤、一気に読んだ!


- 猫の下僕@SoRa2025年10月26日読み終わった十数年ぶりに再読した。初めて読んだときは、隠されたモヤモヤを解き明かしたくてページをめくり、最後に訪れた衝撃と圧倒的な世界観に心を奪われた。 今回は懐かしさに誘われ、じっくり時間をかけて読み返してみた。以前は、キャシーの友人であるルースが周囲を試すような仕草や和を乱すような行動をするたびに嫌悪感を抱いていた。しかし今読むと、その姿がむしろ愛おしく感じられることに驚いた。 考えてみると、ルースは本当は誰よりも早く真実に気づいていたのかもしれない。けれど素直に抗うことはせず、自分や他人を傷つけてしまうような衝動や、破壊的で不器用な行動を通して、小さな反抗をしていた――そう考えると、その複雑さや切なさが胸に深く響いた。


いるかれもん@reads-dolphin2025年10月4日読み終わったまた読みたい高校の図書館で国語の先生のおすすめ図書として紹介されていて、買った気がする。以来10年以上も時々読もうとして、結局辞めてを繰り返した我が家でも随一の積読本。ついに一読した。大事なことがさらっと書かれていて、気を抜くと読み飛ばしてしまいそうになる。翻訳ならではの文体に多少苦戦してしまったのでどこかで読み返したい。




- ぽの@hoa45672025年10月1日読み終わった初めて読んだカズオイシグロさん 静かに、そろそろと深い部分に入り込んでいく感じ 明らかな抑揚はないのに、つまらないわけではなく、するする読み進められた 後半テーマがわかってきてからは思った以上に実は重たい内容でびっくり 他の本も読んでみよう〜





きよ@kiyomune2025年9月16日読み終わったわたしにとって、読み終えるのに時間を要する本だっだ。 コロナ療養中のお供にはカロリーが高すぎたけれど、療養中だから色々考えながら読めたとも言えそう。不思議な本。 とりとめもない幼少期の記憶は、下手をすると冗長とも言える文量だというのに、うっすらとした不穏さを適度に嗅がせながらだれることなく続く。 こちらに解明の手応えをたいして与えぬまま、かと思えば時折、不自然さを全く帯びずに鋭く核心の話をつきつけていく、バランスが見事。 はじめは音楽つながりでしかなかった表題も、湿地帯に乗り上げた船を3人で観に行ったあたりから、あらゆる人の思いとしてガッチリ機能しはじめ、格好いいったらなかった。 まさかこんなメロウなタイトルが、切実なメッセージとして機能すると、読前誰が思うだろうか。 そういえば途中、トミーとキャシーはルースみたいな女のどこがいいのだ、とかなりイライラさせられたが、思い起こしてみるに、知ったかぶりの、大人びて見える同い年の女の子が、幼い時ほど輝かしく、歳をとるにつれ煩わしく見える、というのは、往々にしてあるな……


ロッタ@rotta_yomu2025年9月12日読み終わった彼らは「かわいそうな子たち」なのか? とても静かな物語だった。主人公のひとりキャシーの回想は、感情を抑えているのに、だからかえって強い悲しみが滲みでる。怒ることも、必死に抗うこともなく、彼らは「使命を終える」日をただ待つ。(「使命」ってなんてひどい都合のいい言い換えなんだろう、、、) 彼らは「かわいそうな子たち」なのか? 読み終わってから数日、ずっとずっと考えている。 彼らの友情は、彼らの恋は、彼らの夢は、彼らの生は、「かわいそうな子たち」のかわいそうな物語なのか? 間違ってる間違ってないとかじゃなくて、正しい正しくないじゃなくて、どう思うかをめちゃくちゃ語り合いたい、、、!! ちなみに「そうではない」が、わたしの答え。







ひいらぎ櫂@shaki31222025年9月2日読み終わった図書館初めは「養護施設に暮らしていた人の子供時代を振り返る話?」と思っていたが、読み始めると不穏な情報がちらつき始め、辛い真実に突き当たる。 子供たちは自らの運命を知ってか知らずか、幼稚な噂に踊らされる、またはフリ? 最後も明言はしないものの未来は見えている。 子どもが寝てる間に読了。 唇と歯茎の境にできた口内炎。



上地ケンジ@kenji-kamiji2025年8月29日読み終わった衝撃的な作品だった。 今年1番の小説! 感想を書くのに時間がかかりました💦 感情がグチャグチャになる。 とりあえずコメントに書きました☺️








コタ@hts2025年8月23日買った読み始めたうっかりBOOKOFFで購入 → 読み始めた。最初から不穏な感じ。上手い。 → 読了。「クララとお日様」はピンと来なかったが、本作は最後までグラグラしながら最終ページまで連れて行ってもらった。今なら「クララと…」も読めると思う。
やえしたみえ@mie_e01252025年8月13日買った再読した蔵書@ 自宅図書館で読んで、これは手に入れたいと思ったので本屋さんであらためて購入。いつ買ったかは忘れたけど大体このぐらいだと思う。 借りてる間も2回ぐらい読んだけど、購入後2回ぐらい再読した。

かぱす@kappas2025年6月29日読み終わった図書館で借りて読みました。 奇妙な予感と確信へ近づく怖さ。 静かなる衝撃が家事をしていても仕事をしていてもうっすら膜を張っている感じだった。 そして読み終えた今も、あたまの片隅にじっと潜んでいる。 その事実に向き合うのか、向き合えないのか。 私はこの物語中で言う世間の人のような存在なのではないかと考えさせられる。



幸緒@kons_03202025年5月27日読み終わったすごい読書体験をした……。さいしょからずっと避けがたい「予感」があり、その予感のなか読み進めなくてはならない。予感の行きつく先はあっけないほど自明で、寂寞としている。残酷な静けさに読後立ち竦んだ

雅子@kokoma_ru552025年5月1日読み終わったGWの時間を使って読了した。一年ぐらい積読していたかも。 真実がはっきりと明かされず、ずっと不穏な雰囲気が漂う小説で、私にとっては新鮮な感覚だった。 キャシーの主観的語りで物語は進むので、読者の感情も揺さぶられる。自分はいつ死んでもいいと思ってるけど、大切な人と悔いなく関わりたいな、できるかぎり。



猫@mao10122025年4月2日読み終わったかつて読んだ緻密で、それでいてどこか機械的で、よく計算された作品。肝心な根っこの部分は曖昧でいて、上手く言語化出来ないその曖昧さがよいのかも。私は機械は機械だと割り切っているが、この作品を読んだ後だと臓器提供のために作られた機械的な人間達にも、愛はあり、慈しむ心が芽生えた瞬間を目の当たりにし、ユニークで面白かった。




夏しい子@natusiiko2025年3月9日かつて読んだめっちゃ面白かった。一気に読み切ってしまいたくなった。 ってかルースって嫌な女。 誰よりもキャシーを思っていたのはルースかもしれないけれど、その反面、ルースにとってのキャシーは保身やプライドのためにつごうよく遠回しに傷付けるための存在だったかのよう。 その最たるものがトミーとカップルにる事だったのかも。 キャシーは本当はずっとトミーが好きだという自分の気持ちに気づいていたけれど、ルースのためにそれを見ないふりしてきたのでは無いだろうか。 それほど、キャシーにとってルースは大切な存在だったんだろうな。
廣 亜津美@hiroatme2025年3月7日かつて読んだSF的な設定ながら、それを感じさせない日常感。それが、残酷な運命の物語をより強く印象づけます。あなたも、わたしも、心の奥底にある、限りある生命という不条理感に、強く魂が揺さぶられるのを感じました。個人的にはイジグロのベストの一冊。映画版も素晴らしい出来でした。
ふくすけ@mon7em2025年3月7日買った読み始めたアニメ版メダリストを見てから漫画を読み、羽生結弦が主題歌のMVに出演する米津玄師の曲きっかけで米津玄師にハマり、がらくた/LOST CORNERを聴いてこの本の存在を思い出して読んでみたくなったというバタフライエフェクト。 きっと面白く読めると思う。- y@collegelife_intokyo1900年1月1日読み終わった10年ぶりくらいに読み直した。あの時は少しテーマが重いSFくらいにしか思えなかったけど、大人になって読んだらテーマが重すぎて体調が悪くなるレベル。 穏やかなのに、常に不穏な影が付きまとう物語。不穏さが明らかになった時には、もうその存在には無意識のうちに気づいてるから何も驚くことはない。ただ受け入れるだけ。


























































































































































