やえしたみえ "きらきらひかる" 2020年10月25日

きらきらひかる
ポリアモリー界隈で名前をよく聞く本なので読んだ。非常に美しい筆致で、複雑な人間模様が描かれてゆく。 三角関係……にあたるだろうに、決して愛憎渦巻く怨恨小説にはならず、登場人物がめいめいにもがいて、ただ、努力をするだけ。それによって、彼らはきらきらひかるのだ。そのことに痛く感動した記憶がある。これが1994年に書かれたということも、若かりし頃の私の胸を打った。 世間一般がいう普通の、一人の男と女が愛し合って結婚して子供を産んで……そうじゃないものに私はずっと惹かれ続けてきた。正確には、「そう」じゃなくても幸せになることはできる、その可能性に惹かれ続けてきた。本書はまさにその可能性を示してくれた。そしてこの本が名作として読み継がれているという事実も、私を鼓舞してくれるのだ。こんな暖かな世界に惹かれる人が相当数いるのなら、世界には愛すべき価値があるのだと思えるから。 これを読んでいた時期、個人的に私の身の回りに起きていた出来事のせいで様々なことがトラウマになっていて、この時期に買ったポリアモリーやそれを連想させる本は全て手放したぐらいなんだけれど、これだけはもう一度読みたくて、いまだに手元に置いてある。読んだ日は正確に思い出せないので、購入日で記録をつけておく。
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