
jirowcrew
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2025年12月9日
ヴァージニア・ウルフ エッセイ集(1003)
ヴァージニア・ウルフ,
片山亜紀
ちょっと開いた
「自然が慰めになるのは、自然が無関心だからだ。人が踏みこんだことのない心の雪原にも雲は訪れ、花びらは舞い降りてキスをする。これは別の領域で言えば、ミルトンやポウンのような偉大な芸術家が、私たちのことを考えているからではなく忘れているから慰めになるのと同じだ。」
(『病気になるということ』)
自然の「無関心」が慰めとなるのは、人間(自分に対する他者)の「関心」が移ろいやすい性質であるため。
自然の「無関心」は、絶対的に「無関心」であり続ける。ときに人間はーー不自然であり、病的で、不安定な人間は、その絶対的に無関心の腕のなかで休みたくなる性。
そんな人間に、自然を忘れないでいるようにと、向こう側からやってくるのが病気という「お見舞い」なのかもしれない。

