
トルソー
@spq88
2025年12月10日
ソフィー
ガイ・バート,
黒原敏行
読み終わった
過去についての独白と現在における対話、ふたつの形式と視点での謎の絡み合いはDNAのように螺旋を描き幻想的な怪物を生み出す。つまり、ミステリというかサスペンスとしておもしろい。
だけでなく、回想される子供時代の描かれ方が素晴らしく、訳者があとがきで述べているように中勘助『銀の匙』を彷彿とさせる。さらに作品を足すなら、三浦綾子『塩狩峠』やプルースト『失われた時を求めて』の子供時代、あるいはミルハウザー『エドウィン・マルハウス』。子供の目から見た世界が好きな人にとっては、謎うんぬんを措いても楽しい読書体験になると思う。
ちなみに、謎に対する解が最後まで明示されないタイプの小説なので、いまひたすら悶々としている。

