なこ "痴人の愛改版" 2025年12月8日

なこ
なこ
@nonbibiri75
2025年12月8日
痴人の愛改版
痴人の愛改版
谷崎潤一郎
漫画きっかけで聴き始め、赤裸々に堕ちていくさまが気になり、「怖いもの見たさ」で止まらなくなった。 -------------------- あらすじ書いたらネタバレとなりましたのでワンクッション置きます。 でも、教科書等の知識で、読まなくてもこれくらい知ってる人は多そうかな、とも思ったり。 -------------------- 文豪・谷崎潤一郎が大正時代に書いた本です。 アラサー男性・譲二がカフェーの女中になりたての少女ナオミに目をつけ、惹かれて、育てて好みなら夫婦になるつもりで引き取り一緒に暮らし始めます。ナオミは本質的に稀代の魔性で、譲二があらゆる意味で堕落し精神的に服従していくお話でした。 その具体的事例は…やばっ、としか言えないので是非ご自身で接していただいて笑。 何回も「キモ🥶」「アホだなぁ😅」「どうしようもないな🫠」との独り言が出ましたし、聴き終えて最初の感想は「あーあ😩」です。 一貫して譲二の視点から描かれているので、自分とナオミの言動や会話がほとんど、ナオミの〝オトモダチ〟がそれなりの脇役で、お互いの家族などはモブでした。生活環境や言い回しは古臭かったのですが、男女のあれこれはあまり古さを感じなかったです。こういうのは時代に関係なく普遍的なんですね…。ほぼ二人きりのクローズドな点も時代性を感じにくくさせたのかもと思います。ナオミちゃんの性的な奔放さは現代でもやり過ぎってとこありますし。 聴いてて唯一分からなかったワードが「めいしゅや」。ウィキ見ました。なるほど… でもこれ、大正当時は本当にセンセーショナルだっただろうなぁ。性的な描写は間接的だからか変態性が際立ってますし。Audibleの読み手さんが割と明るい語り口なのも狂気が増して聞こえます。今(令和)の私が聴いてもなかなかに刺激的。 ど変態で、不健全で、強烈な魅力を放つ話でした。 家族への推薦度★★☆☆☆ ちなみにきっかけの漫画は「路地恋花」といいます。ほんのりモチーフにされている回があるんです。こちらのナオミちゃんの年の差恋愛はすごく良い話だよ。誰かにオススメするのなら「痴人の愛」より断然「路地恋花」です!!!
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