たにこ "退屈をあげる" 2025年12月10日

たにこ
たにこ
@chico75_11427
2025年12月10日
退屈をあげる
退屈をあげる
坂本千明
野良猫から家猫になって虹の橋を渡るまでを猫目線で描かれた詩。 私は知りたかった。猫が幸せかどうかを。あの日、猫と目が合ったあの瞬間から私も猫もすべてが一変し、私は猫との暮らしを手に入れて、猫は雨風をしのげ、食うに困らない毎日を手に入れた。でも本当は外の世界にいたかったのではないか。もしあのまま死んでしまったとしても。 でもいくら考えてみたところでそれは絶対にわからない。猫がわが家にやって来るまでの間、どうやって生きてきたのかがわからないのと同じように。それはまるで開けたくても開けられない甘い香りの漂う菓子箱のようだなと思う。私はその箱を後生大事に抱えて、時には猫の匂いづけのように頬ずりをしながら生きていく。(あとがきより) きっとこの猫は幸せだっだと思う。他人事に聞こえるかもしれないけれど、幸せじゃなければ、生きるので精一杯であれば、自分以外が苦しんでいたとしても、二つの手のそばに寄り添ったりしないと思うから。
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