
えむ子
@hks_emk
2025年12月10日
落下する夕方
江國香織
読み終わった
フォロワーさんにお勧めしてもらった作品
恋愛小説はほとんど読まず、江國さんの小説は『きらきらひかる』『号泣する準備はできていた』を10代の頃に読んだきり
空いた穴を空けたままにしておける梨果がとても素敵で、そこにコロンと落ちるように現れる華子の存在がとても綺麗だった
喪失を受け止めるには時間が必要で、けれど時間だけを消費しても受け止められるとはかぎらない。受け止められなくても日常は続いていくし、毎日夕陽は落ちていく
そんな当たり前で難しいことを改めて感じさせられる作品だった
華子は空いた穴に色んな世界の空気を通したかったのかな、と思った。ラストで彼女の選んだ結末でさえ、彼女の穴を通り抜けて落ちていってしまったのかもしれないと思うと、少し淋しい
華子に執着する人たちは、彼女に空けられた穴を彼女で埋めようとしているんだろうな。だけど彼女は空気のような存在だから、どれだけ欲しても埋まらない
そのジレンマの受け止め方がさまざまで、正解なんてないけれど、どれも全部が不正解のように思えた


