
socotsu
@shelf_soya
2025年12月11日
穏やかな死者たち
ケリー・リンク,
ジョイス・キャロル・オーツ他,
渡辺庸子、市田泉他
読書メモ
いわゆる広義のお屋敷もの、家だけが舞台でなくても、作品の中で家という建物、場所が存在感を持っている作品に惹かれる。
ー番最後に収録されている「スキンダーのヴェール」は、その意味で好きな作品。それ以外の作品だと、青春ものとして自分のない記憶が痛むような「精錬所への道」や、重要な登場人物の描き方にクィアネスを感じる「柵の出入り口」の読後感も好きで、特に解説で書かれていたようにサムワン(魂の双子)を求める少女同士の関係性、そして魔女というモチーフも重要な「苦悩の梨」では、この手の、少女時代に周囲とうまくなじめない子どもの肥大化した自意識ものにいつまでも執着してしまう自分のくせを再確認した。
エンターテイメントに「怖さ」を求めない、どちらかというと苦手な人間だけど、それはいわゆる人間がどんどん悲惨な死に方をするいわくつきスポットやシチュエーションにまつわるスリルに興味がないから(怖いけどおもしろみを感じ取れない性格)で、人間の忍び寄るような悪意の怖さについて描かれた「抜き足差し足」は、おもしろく読めた。そのような悪意はいまあなたがいる世の中にも存在するのですが、、、とじわっと気づかせてくれる作品の奥行きを怖がりつつおもしろがる。


