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2025年12月11日

夕陽の河岸(新潮文庫)
安岡章太郎
午後の散歩をしながら少しずつ収録作の「朝の散歩」を読んでいたら、作中とわりと近いところを歩いていたし、さっきわたしが渡った川は安岡が川原を犬と歩いた川だった。この偶然。少し特別な気持ちになる。そして小説もとても良かった。なんてことのない、とも言える老年の日常と思索。渓谷と河原、犬との散歩。それを綴る文章の素晴らしさ。何に、とははっきりと言葉に出来ないような感動があった。その感動と偶然を噛み締めながら夕陽が沈みかけた川沿いの道を歩いて帰える。それもまた特別な時間だった、ような気がしている。







