
ユウキ
@sonidori777
2025年12月11日

人種主義の歴史 (岩波新書)
平野千果子
読み終わった
借りてきた
「人種」と言う概念を大航海時代から現代まで、その概念が構成されていく過程や社会を丁寧に紐解いていく。
他宗教や聖書、奴隷制、植民地等々「他者」への眼差しとナショナリズムが複雑に絡み合って人種主義が形成されていくのは、今日であっても理解のできる過程である。人種主義が現在でも新たに生まれたり、再生産されている差別の下地であるとあらためて思うのと同時に、数百年かけて培われた「他者」とアイデンティティにひもづく、ナショナリズムにおける差異や、優劣(をつける社会構造)が人種主義につながることの解消のむずかしさも感じる。
肌の色に限らず、貧困や文化的な差異等でも差別は生まれて、そしてそれが本来は存在しないはずの「人種」に収束していくのは、本書でも度々指摘されているように日本だと部落差別にも繋がっていくというのもなるほどと思った。
ただ、あとがきにもあったように、差別がなくなればいいなあと思う祈りだけではこの構造は打ち崩せなくて、こういった他者への目線と人種主義の構成要素を認識して、対抗できるように考え続けていきたい。


