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2025年12月11日

夕陽の河岸(新潮文庫)
安岡章太郎
「ここに収めたのは、六編の短編小説と四編の随筆(小品文)である。しかし、これらの文章の中でも、どれを小説に、どれを随筆に分けていいか、私自身、判断をつけかねている。
小説として読めば読めないこともないが、作者個人の思い出、ないしは雑感として読んで貰っても結構である。
勿論、こういう結果になったのは主として私の物臭のためである。しかし文学を、いちいち小説とか随筆とかに分類することにどれほどの意義があるか、そういう疑念が私の中で年毎に強くなっていることも、またたしかである。」
「結局、私にとって文学とは、小説であれ随筆であれ、いかなる奇想天外の構想よりも、文章のうま味に在るものと思われる。」
「あとがき」より


