綾鷹
@ayataka
2025年12月12日
パパたちの肖像
カツセマサヒコ,
似鳥鶏,
外山薫,
岩井圭也,
河邉徹,
石持浅海,
行成薫
男性も育児もして当たり前という世の中になったけど、男性側の小説ってあんまり見ないので新鮮だった。
「俺の乳首からおっぱいは出ない」が一番好きだったな。
パパもママも関係なく、子供のことを思って、悩んでいるのだなと思う。
色んな選択肢を取れるようになったからこそ、私も自分の家族にとって何が1番いいのか悩んで考え続けていきたい。
夫にももっとお疲れ様とありがとうを伝えよう。
・なにより、最近、赤ちゃん、という感じから脱却して、急に人らしい意思を感じさせるようになってきた娘に、パパ、と呼ばれると、おそろしいほどに心臓に負荷がかかる。かわいさが大渋滞で抜け出せない。そうはならないとわかっているけれど、この瞬間がいつまでも続くといいのにと心から思う。親としての不確かさに形をくれるのは、やはり子供なのだ。
親がいて子供が生まれてくるのではなく、子供が生まれることで、人はようやく親になるらしい。俺は、親になるまで少し時間がかかってしまったが。
・へへへ、と颯真が笑った。目が線のように細くなる。
おれたち夫婦の残りの人生は、仕事と育児で終わるのかもしれない。ストレスにまみれた毎日を何十年も送ることは、想像できないくらいきついのだろう。だがおれたちは、すでにありあまるほどの対価をもらっていた。
・子どもって、わかってないようで何でもわかってるんです。もしかするとパパが苦手なことも知ってて、でも優しくしようとしてることが伝わってるのかなと思います。美織ちゃんにとって髪を結んでもらうのは、優しさを受け取れる幸せな時間なんだと思いますよ
・朝、保育園に向かう道を、美織と手を繋いで歩く。
俺の太い指を、美織は小さな手で力強く握りしめる。
こんな不器用な指でも、繋いでくれる人がいる。好きだと言ってくれる人がいる。
髪の結び方は、最初よりは少しだけうまくなった気がする。髪を結ぶ前に、一度櫛で旅いてあげるとうまくいきやすいことをやりながら学んだ。
俺の根本は、多分変わらない。変われない。
だけど、かけられる言葉くらいは変えられる。
「美織、ありがとう」
生まれてきてくれて。一緒にいてくれて。
聞かせてあげたい言葉はこっちだ。「ごめん」よりもずっといい。
「どーいたまして」
晴れ渡る空の下、美織が急に返してくれた新しい言葉に、俺は思わず笑った。