
たなぱんだ
@tanapanda
2025年2月21日

小説
野崎まど
読み終わった
感想
ネタバレなし
スペースマウンテンに乗ったみたいな読書体験だった。
どこに向かっているのかもわからないまま、気づいたら全力疾走で物語の終着点にいた。
小説好きの小学生ふたりが、大人になるまでの軌跡を描きながら、「小説とは何か」「人はなぜ小説を読むのか」「小説を書かなくてもいいのか」という問いを投げかける物語。
一目で分かる区切りをつけずに、視点や時間がガンガン飛ぶ。なので、気を抜くと「今何の話をしているんだ?」と足元がぐらつく感覚に襲われる。そんな構成のクセに戸惑いながらも、不思議と流れに乗ってしまう作品。終盤にはファンタジー要素まで加わり、「この話、どこへ向かうんだ?」と戸惑っているうちに、ふっと物語の出口に辿り着いていた。
好き嫌いがありそうな構成だけど(なので「本屋大賞」候補作としては大穴感がある)、小説を読むのが好きな人なら、必ず引っかかる問いが詰まった作品。


